メッセージ

2021.7.16

「社会的価値としてのレジリエンスへの期待」

幹事 小宮山 涼一
(東京大学 大学院工学系研究科 准教授)

近年、社会においてESG(Environment, Social, Governance)に関する情報開示の動きが進んでおり、企業や自治体では、環境に加えて、レジリエンスへの意識が高まっている。レジリエンスを組織の運営に必要な項目とみなし、社会的評価や成長の機会とする意義が徐々に浸透しつつある。

また、蓄電池、電気自動車、太陽光発電、コージェネレーションなどDER資源が普及する中、スマートメータなどを通じて様々なデータの利活用への期待が高まっている。これらの技術・データをスマートに活用した新たなサービスにより、災害発生時に迅速なエネルギー復旧も可能になり、レジリエンスに対する社会的ニーズをさらに喚起し、取り込むことが可能になる。

現在は、技術・データを活用したサービスがレジリエンスの新たなニーズを生み、ニーズが新たなサービスを生む好循環が形成される過渡期にあると考えている。レジリエンスが、オプションではなく、プリンシプル(原則)とみなされ、確固たる社会的価値として根付くことを期待したい。